年齢別に、その年齢で起きやすい変化や病気、また、年齢があがってからは各年齢での視力の変化を説明しております。
お子様の年齢のところから読んでいただくのもいいのですが、0さいから順に追っていただくと、お子様の目の成長とその変化がよりわかりやすくなると思います。何か疑問に思うことがあれば、ご相談ください。
お母様からもらっているはずの免疫が切れ始めて風邪をひいたり、行動範囲も広くなりだし、雑菌にまけて結膜炎をおこしたりする機会が増え始めます。また、早いお子様だと、アレルギー反応が出始めて、アレルギー性結膜炎をおこしたりすることもあります。それから、まぶたの形がしっかりできあがっていないので、まつ毛が目の中に入ってしまいやすい時期です。まだお子様は、かゆいも痛いも言ってくれないときなので、めやにが増えたり、充血していたり、目をぱちぱちさせていたり、こすっていたりする時は、眼科を受診してください。
1さい時の視力の目安は、0.2~0.3ぐらいです。
2さいになって急に増える目の病気は特にありません。1さいのときと同様に、めやに・充血等がでたら眼科を受診してください。あと、ものもらい(めばちこ)になるお子様もそろそろ出始めます。腫れたり、しこりのようなものができたら、そのときも眼科を受診してください。2さいになると眼科でできる検査がぐっと増えます。大人と同じ視力表を使っての視力検査だったり、斜視の検査だったり、そのお子様によっての差はもちろんありますが、検査の幅が増え、より詳細にいろいろなことが分かります。
2さい時の視力の目安は0.5~0.6ぐらいです。
3さいも特に、2さいのお子様が起こす病気とそれほどの違いはありません。
3さい時には、3歳半で受けていただく、3歳児健診があり、眼科のチェック項目があります。保健センターから送られてきた封書に、御自宅でしていただく視力検査表が入っています。必ず視力検査はトライしてください。なかなかしてくれないこともあるかとは思いますが、大事な視力チェックになります。まずはご家庭できちんと確認することが大切だと考えます。視力発達が遅い場合、3歳児健診で見つかってそこからきちんと検査・治療をうけていただくと、視力発達が間に合う場合が多いです。3歳児健診の質問項目の中には、斜視の傾向がないかどうか等の内容も含まれています。
3さい時の視力の目安は0.7~0.8ぐらいです。もちろん3さいまでに1.0の視力発達をしているお子様もいらっしゃいます。
4さいも特に、3さいのお子様が起こす病気とそれほどの違いはありません。
早いお子様だと、そろそろ近視傾向に傾いてきているお子様が出始めます。テレビを見にくそうにしていたり、前で見たがったり、目を細めていたりするようであれば、一
度眼科で近視や遠視の度数を測ったり、視力検査を受けていただいた方がいいと思います。近年のデータでは、幼稚園や保育所の児童での近視化傾向が以前に比べて目立ってきております。
5さいも特に、4さいのお子様が起こす病気とそれほどの違いはありません。
4さい児と同様に、近視の傾向がでてくるお子様がいます。テレビを見にくそうにしていたり、前で見たがったり、目を細めていたりするようであれば、一度眼科で近視や遠視の度数を測ったり、視力検査を受けていただいた方がいいと思います。
6さいも特に、5さいのお子様が起こす病気とそれほどの違いはありません。
6さい時には、就学前健診と言って小学校に上がる前に、視力検査と簡単な眼科診察を受けます。こちらも弱視や斜視をみつける大事な機会なので、必ず健診を受けていただいて、何か指摘されることがあれば、詳しい精査を眼科で受けてください。
小学校に入ると、きちんとしたプールの授業が始まります。アレルギー性結膜炎をもっているお子様や、角膜に傷のあるお子様、ものもらい(めばちこ)・さかまつげ等の病気もプール授業時に悪化することがあり、プールに入っても問題ないかどうかを兼ねての健診が学校で実施されます。眼科受診を指摘されたら、受診され、プール前に加療を受けてください。学校が始まり、以前より近いところをみる時間が増え、近視化し始めるお子様が出てきます。学校での視力検査で引っ掛かった場合はもちろんのこと、日常生活で見えにくそうにしているしぐさがあれば、眼科での視力確認を必ずしてください。近視になり始めの段階である仮性近視であれば、本人の心がけや努力で近視化していくことを遅らせることはできます。
ますます生活の中で、勉強だったり、漫画だったり、ゲームだったり、近いところをみる時間が増え、近視化が進みやすくなります。学校での視力検査で引っ掛かった場合はもちろんのこと、日常生活で見えにくそうにしているしぐさがあれば、眼科での視力確認を必ずしてください。近視になり始めの段階である仮性近視であれば、本人の心がけや努力で近視化していくことを遅らせることは、まだできます。眼鏡を装用する必要がでてきているのかどうかも、一度相談されてみた方がいいと思われます。
めやにや瞳孔の中の様子に注意
生後すぐによく見られる目のトラブルに、めやにがあります。産まれてすぐにめやにを認める場合、出産された産婦人科さんより抗生剤の目薬が処方されます。これは生後すぐの赤ちゃんは、涙を通す鼻涙管とよばれる器官がまだきっちりと出来上がっておらず、涙をちゃんと吸収することができなくて、結膜炎をおこしてしまうことがよくあるためです。産婦人科さんでもらわれた目薬で症状が改善しないときは、眼科を受診してください。
また、生まれつきの内斜視(目が内によっている状態)で、斜視が強い場合は0さいでもわかります。
お子様の目を見られて、瞳孔の中が白く見える場合はすぐに眼科を受診してください。白色瞳孔という状態で、0さいでも発症する腫瘍性疾患がまれにあります。
産まれてすぐから、視力が大人並みにでているわけではありません。成長とともに、視力は発達してきます。0さい時の視力の目安は、生後3カ月で0.1以下、その後0.1~0.2ぐらいまで発達します。物をじっと見ることは、生後約1カ月くらいまでにできるようになります。
約半年の間に、上下・左右・斜め等のすべての方向に眼球を動かすことができるようになります。