はやり目(流行性角結膜炎)
はやり目(流行性角結膜炎)とは
結膜には、細菌・ウイルス・カビなどの微生物、紫外線、ほこり・ごみ・摩擦などの物理的刺激、酸・アルカリなどの科学的刺激、花粉などによるアレルギー反応などによって炎症が起こることがあります。 このうち、短期間に集団的に発生する急性結膜炎が、いわゆる”はやり目”といわれるもので、日常よく見られる代表的な病気です。これは、患者様の目からの分泌物がもとで伝染します。

ウィルスとは
ウイルスとは人や生物の体に入り、病気にさせる病原体の一種です。
ウイルスは、細菌や真菌よりも小さく光学顕微鏡を使っても見えない微生物で、細胞がないので自分で生きることができません。人や動物の細脳内に侵入して、その細胞を自分の住みやすいように変えて住み着きます。細胞がないため分裂ができず、自らのコピーを増やして増殖します。そうしてウイルスの住み着いた細胞はやがて衰え、死んでしまい、病気になります。
ところが、ウイルスに対するヒトや動物の抵抗性が強い時は、ウイルスは活動をすることができないので、病気になりません。ウイルスに侵されないためには、強い体を作ることが大切です。

はやり目の症状
症状は両目に出ることが多く、片目に症状が出た場合でも数日後にもう片方の目に症状が出ることがあります。
はやり目は通常は3週間ほどで治りますが、重症化すると、角膜に傷がついて傷跡が残る「角膜混濁」や、角膜の表面がめくれて強い痛みを伴う「角膜炎」を引き起こします。
- 白目(結膜)の充血・出血
- しょぼしょぼ感
- 結膜にブツブツができる
- まぶたの裏の充血
- 異物感
- 目やにがでる
- まぶたの腫れ
- 光がまぶしい
- 涙が出る
症例1

症例2

はやり目の種類
はやり目はアデノウイルスによるものが最も多く、型によって症状や潜伏期間が違います。アデノウイルスによるものが最も多く、伝染性も非常に強いので感染予防がとても大切です。アデノウイルス以外にもヘルペスウイルスやエンテロウイルス70型、コクサッキーウイルスA24型なども結膜炎をおこします。
空気感染はしませんが、はやり目の人が目を触った手でものを触り、他の人がそれに触って目をこすったり、プールや、同じタオルを使用するなどして感染します。
ウイルスに感染した際は目を触らないようにし、かかりつけ医や眼科で適切な治療を受けましょう。


はやり目(流行性角結膜炎)アデノウイルス8型・4型・37型・19型感染
感染してから7~14日で発病します。
主な症状
- 大量の眼脂
- まぶたの腫れ
- まぶたの裏側のブツブツ
- 流涙(りゅうるい)
- まぶたの裏側の充血

プール熱(咽頭結膜炎熱)アデノウイルス4型・3型
プールで感染することがあり、プール熱ともよばれます。感染してから5~7日で発病します。
主な症状
- 大量の眼脂
- まぶたの腫れ
- まぶたの裏側のブツブツ
- 流涙(りゅうるい)
- まぶたの裏側の充血

急性出血結膜炎エンテロウイルス70型感染
感染してから1~2日後に突然眼球結膜に出血を起こし、ゴロゴロ感、充血、まぶしさなどがあらわれ、結膜にブツブツができます。
主な症状
- ゴロゴロ感
- 充血
- まぶしさ
- 結膜にブツブツ

はやり目の症状
点眼薬での治療が必要になります。症状が重症の場合、眼軟膏も使用します。
また、重症例の場合、まぶたの裏側に偽膜(ぎまく)とよばれる膜状の炎症反応を認める場合があります。この膜は角膜炎や角膜潰瘍(びらん)を引き起こすことがあるので、はがす治療を行います。偽膜が生じた場合には偽膜をはがす治療が必要になります。
周りの人にうつしてしまうことも多いので、生活のうえでの注意が必要になります。
偽膜

偽膜
