白内障手術について

白内障手術について

手術方法

当院では、超音波で水晶体を取り除く方法となります。ほとんどの白内障手術では、この方法が採用されています。※眼の状態によっては、異なる方法になる場合があります。

01目の表面を切開 02水晶体の除去 03人工レンズの挿入 04縫合手術の終了
  • 準備

    手術前に診察と検査を行います。患者様の眼を清潔にし、散瞳剤で瞳を広げる目薬を使用します。その後、局部麻酔で手術中の痛みを感じないようにします。

  • 手術の開始

    目の表面を数ミリ切開します。切開部は非常に小さいため、手術の回復が早く、手術後数時間から1日で基本的な日常活動を再開することが可能です。

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  • 水晶体の除去

    超音波を使って水晶体内部の濁った部分を除去します。水晶体の外側の薄い膜は可能な限り残します。

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  • 人工レンズの
    挿入

    清潔で折りたたみ可能な人工レンズを挿入します。
    レンズは自然に広がって正しい位置に固定されます。

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  • 手術の終了

    切開部は非常に小さいため、多くの場合、縫合する必要はありません。手術後、目を保護するために眼帯や保護メガネを装着していただきます。

  • 術後の
    フォロー

    手術後は数時間休息が必要です。手術後の初めの数日間は眼帯や保護メガネを着用し、医師の指示に従って目薬を使用していただきます。手術後の回復期間は人によって異なりますが、数日以内には日常生活に戻ることができます。完全な視力の回復や完璧な快適さを感じるまでには数日から数週間かかる場合がありますが、大きな不便を感じる期間は短いことが多いです。

眼内レンズについて

眼内レンズとは (一例)
  • 白濁した水晶体の代わりに眼の中に入れる人工レンズのことをいいます。
  • 眼内レンズは、丸いレンズ本体と、眼の中にレンズを
    固定するための2本の支持部で構成されています。
  • レンズの直径は約6mm、支持部を含めた全長は約13mmです。
  • ほとんどのレンズが、柔らかいアクリル樹脂でできています。
    柔らかい素材を使うことで、レンズを折りたたんだ状態で眼の中に挿入することができます。
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眼内レンズの安全性

眼内レンズは自分の身体の中に入るものですから、品質や耐久力など、安全なものなのかどうかは、非常に気になる点ではないでしょうか。
国内で処方されている眼内レンズは、厚生労働省が認めた医療機器として、国の機関による厳正な審査を通っているものです。

※ 折りたたまれたレンズが正しく形状復帰するか、強度は充分か、眼の中で劣化したりしないか、また、アレルギー反応を起こさないか、遺伝的に何らかの影響を及ぼす可能性はないか、身体に有害な影響がないかどうかを、複数の試験で確認しています。

眼内レンズの種類

眼内レンズは、定めた焦点が一つの距離である単焦点眼内レンズと2焦点以上の距離にピントをあわせることのできる多焦点眼内レンズにわけられます。見え方と費用に違いがありますので、医師と自分に合うレンズを相談して決定します。
※多焦点眼内レンズ手術は保険適用外となり、選定療養または自由診療となります。

レンズによる見え方の違い
単焦点レンズ

遠・中・近どれか一つに合わせた距離のものが、非常にクリアに見える

多焦点眼内レンズ

2焦点以上の距離にピントをあわせることができ、同時にクリアに見える

単焦点レンズ

単焦点レンズとは、「遠く」「中間」「近く」のいずれかにピントを合わせたレンズになります。ピントを合わせた距離の範囲内でクリアな視野が得ることが可能です。
しかし、遠くにピントをあわせたレンズの場合、1箇所しかピントが合わないため、近距離のものはぼやけて見えます。そのため、距離に応じて眼鏡が必要になります。単焦点レンズはすべてのレンズが健康保険適用で、費用の負担を抑えることができます。

距離に合わせた見え方の違い
多焦点眼内レンズ選定療養

多焦点眼内レンズとは、単焦点眼内レンズと比べて、ピントを複数箇所にあわせることが可能です。ピントの合う距離が広くなるため、眼鏡の依存度が減ります。そのため、裸眼での快適な生活を望む方や、眼鏡を使わずに、スポーツや料理などを楽しみたい方にもおすすめです。
しかし、複雑な構造であることから、コントラスト感度の低下により、薄暗い場所では細かい文字が見えにくく感じたり、夜間時の光がまぶしく感じたりすることがあります。レンズの種類が豊富なので、自身が求める見え方のレンズを選ぶことが大切です。
※見え方や感じ方、慣れるまでの時間は個人差があります。

メリット
  • 遠くも近くも見ることができる
  • 眼鏡の使用頻度が低くなる
  • レンズの種類が豊富
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コントラスト感度の低下
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ハロー・グレア現象
デメリット
  • コントラスト感度の低下
  • 夜間に光を見ると、ぼやけたりギラギラ眩しく感じることがある(ハロー・グレア現象)
  • 費用がかかる
  • 見え方が合わないことがある
  • 慣れるまでに時間がかかることがある
    ※個人差があります

白内障手術の選定療養

令和2年4月より、多焦点眼内レンズを使用する白内障手術が厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。選定療養とは、追加費用を負担することで、保険適用外の治療を保険適用の治療と併せて受けることができる制度です。

「選定療養レンズ」では手術費用を保険で、レンズ代金の一部(保険適応レンズ代金との差額)が自己負担となります。従来であれば全額自己負担であった多焦点眼内レンズの手術費用の負担を軽減した形で手術を受けられるようになりました。
当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。多焦点眼内レンズの対象となる患者様には診察時に詳細をご説明いたします。

保険診療 単焦点眼内レンズを用いた白内障手術/選定療養 多焦点眼内レンズを用いた白内障手術
選定療養対象レンズ 追加費用
アルコン Clareon PanOptix 300,000円(税込)
アルコン Clareon PanOptix トーリック 350,000円(税込)
アルコン Clareon Vivity AutonoMe 300,000円(税込)
アルコン Clareon PanOptix 300,000円(税込)
アルコン Clareon PanOptix トーリック 350,000円(税込)
テクニス シナジー 300,000円(税込)
テクニス シナジー トーリック 350,000円(税込)
ファインビジョン HP 350,000円(税込)